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AKB48の全シングルの歌詞を、1人の少女のストーリーに喩えてみた(3/10)

 このエントリは、次のエントリの続きです。
 AKB48のシングルの歌詞を、1人の少女のストーリーに喩えてみた(2/10)

メジャー3rd「軽蔑していた愛情」

 その「何か」とは「都会」ゆえに起こることでしょう。

 2nd「制服が邪魔をする」で原因不明の暴走をはじめた少女は、続く3rdシングルにおいても都会に生き、そしていよいよ一線を越えていきます。

 孤独になんてなりたくない
 抱きしめて欲しかった
 誰かに…
 いつでも…

 ここでは「学校帰り」「ゲーセン」「制服が邪魔」といった学生を思わせるキーワードが見られなくなっています。

 「いじめ」などが見受けられますが、以下のように極めてネガティブな意味でしか使われていません。

 いじめが”あった”とか
 ”なかった”とか
 今更アンケートを取っても
 聞いて欲しかった心の声は
 風の中 届かない
 (中略)
 責任転嫁のプロセスで
 偉い人を泣かせる
 まだ わかってない
 愚かすぎる連鎖を…

 「制服が邪魔をする」も似たようなものでしたが、ここではより「制服」に象徴される「学校や学生という身分」が少女に重く圧し掛かってきます。

 鳥になろうとした少女は
 屋上で靴をちゃんと揃えて

 これは「いじめを苦にした自殺」の様子です。

 少女自身がいじめられていたのか、それとも加害者になってしまったのか。

 そのあたりの事情は分かりませんが、「愚か過ぎる連鎖」に注目している点から察するに、第三者としていじめを助長してしまったということなのではないでしょうか。

 田舎の学校にはなかった苛烈ないじめ。

 そして歌われる「意中の彼」もまた、「田舎で別れてきた彼(恋人になる前に疎遠になった)」ではなく、「門限近くのゲーセン」にいた「都会で出会った彼(制服を着ていたせいで一線を越えられなかった)」でしょうから、これらの急激な変化が、少女を大きく変えていった。

 その変化こそ、「何か」の正体でしょう。

 そして、もはや彼女にとって「学校や学生という身分」は、「彼氏とのセックスを妨げるもの」などではなく、「生き死にに関わること」へと大きく変貌を遂げてしまいました。

 「恋に恋していた気持ち」は「身分保証の急進的な希求」、すなわち「『社会的な居場所』の盲目的で、かつ危険な方法による確保」へと姿を変えていきます。

 軽蔑していた愛情
 知らぬ間に求めてる

 「軽蔑していた愛情」とは、そのまま「援助交際をしてセックスする見知らぬ相手からの人格承認」でしょう。

 親兄弟や親友、教師などの大人たちに求められなくなった救いが、犯罪のレベルにまで達することでようやく叶えられるということなのです。

 思えば「制服が邪魔をする」でも、「学校帰り」に「ちょっと会っただけ」の相手が学生だったとは一言も書いていませんから、少女はすでににしてウリを始めていたのかもしれません。

 ただし、決定打となることばがありません。

 「抱きしめて欲しかった」というだけで「抱かれた」とは言っていません。

 「会いたかった」のように、いつでも少女の気持ちは未遂か未満であり、つねに過去形なのです。

 いずれにせよ、少女は都会に出てきて変わってしまいました。
 
 
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 AKB48のシングルの歌詞を、1人の少女のストーリーに喩えてみた(4/10)