萌え豚っていうな!

萌えヲタのことを萌え豚となんの根拠もなく言うのを止めさせることを目的としたブログ。自分で言うことも含む。

「ケータイ大喜利」にみるアイドル・リテラシー

 昨日の深夜、NHKで放送していた「ケータイ大喜利」には、ゲストとしてアイドリング!!!が出演していました。

 最初のお題は、これに掛けたものになっていて、次のとおりでした。

 お題 「女の子5人組の『なんてったって戦隊アイドルンジャー』、今週のタイトルは?」

 回答はぜんぶで8つ紹介され、全体としてはいまひとつ盛り上がりに欠けたのですが、場を沸かせた解答がいくつかありました。

 (※アンテナの数(1〜3)が多い=評価が高い)

アンテナ 回答
2本 「あとにしろ! 戦闘中にブログ更新」の巻
2本 「事務所と呼ぶな! 本部と呼べ!」の巻
2本 「私、彼氏ができましたと言って報道陣に犬の写真を見せる」の巻
2本 「ピンクの『太っちゃった』にイエローがブチキレ!」の巻
2本 「平和か? 武道館コンサートか?」の巻
3本 「ひな壇からガンガン攻めろ!」の巻
3本 「戦いたくない! だって友達が勝手に応募したんだもん」の巻
3本 「敵か味方か!? 山里という男」の巻

 注目すべきところが、いくつかあります。

 まず8番目の回答の、南海キャンディーズ山里亮太の「浮気グセ」ネタです。

 これは、決してアイドルオタクとは思えないMCの今田・ジュニア・板尾の3名も笑っていましたから、彼の「悪行」は芸能界でもかなり知れ渡っているようです。

 続いては、5本目の「武道館コンサート」のネタ。

 現在のトップアイドルAKB48は、目標のコンサート会場を「東京ドーム」としていますから、「山里の浮気グセ」の認知がある一方で、やはり世間はアイドルに対するリテラシーが低いのだなと分かります。

メタ的な笑いの発生

 ほかに注目すべきは、やはりアンテナ3本を獲得した6番目、7番目の回答でしょう。

 まず6番目の「バラエティに出演したアイドルの振る舞い」ネタですが、これは今まさにアイドリング!!!の演じる状況のことを言っており、メタ的な意味もあって大ウケしました。

 この番組は通常、「女性ゲストは1人」と決まっているのですが、そんな中、彼女らは6人(「アイドリング!!!日記」司会のバカリズム含む)で押しかけたため、会場がちょっとした「ひな壇」になっていたのです。

 さらに、4番目の「イエロー=食いしん坊(カレーが好物)」ネタのとき、その場にいたメンバーの森田涼花(11号)が実際に『侍戦隊シンケンジャー』でイエローを演じていたため、その話題のくだりで、司会の今田耕司が、「(森田は)後ろの席からガンガン会話に入ってくるね」とイジっていたのです。

 6番目の回答は、こうした伏線があって、はじめて大ウケしたのです。

アイドルは前のめり? のけぞっている?

 7番目の回答についてですが、これも「アイドルの定番・常識」をうまく利用したネタと言えます。

 アイドルはオーディションについて、「友達に誘われて」とか「親が勝手に応募しちゃって」などと、「実はアイドルになることに消極的だったアピール」をするのですが、これをメタファーしたネタなのです。

 ただ、よく考えてみると、これは必ずしも時代に合っていないネタなのだということが分かります。

 ふたたびAKBの話題になりますが、このグループには「アイドルオタク」が沢山います。

 チームBの柏木由紀チームK峯岸みなみなど、元々ハロー!プロジェクトのファンで、そちらのオーディションを受けたものの不合格だったため、代わりにAKBを受けたというメンバーがいるのです。(彼女たちはグループの中核をなしてさえいます)

 要するに、今どきのアイドルは、「オーディションに積極的であり、自分が目立ちたがりであること」を隠そうとしないため、7番目の回答は、かなり古いタイプのアイドルをモデルにしていることが分かるのです。

 一方で、6番目の「ひな壇でがっつくアイドル」というのは、まさに最新型で、この2つは対を成していることが分かります。

アンテナ3本(爆笑を取った回答)にある縮図性

 もう1つのアンテナ3本ネタは、「アイドル自身」ではなく「ファンの側」である、南キャン山里の話です。

 これを抜きにした6番目と7番目のネタは、「もっともウケたネタであり、かつ現在のアイドルが世間からどう見られているかを示す、もっともクリティカル(批評的)なネタだ」と言うことができます。

 ただ、「アイドル論」には必ず「アイドルオタク論」もついてまわりますから、山里のネタも含めた「アンテナ3本ネタのすべて」が、「現在のアイドル状況を象徴している」と言うこともできます。