Q:いま一番ダンスがうまいアイドルは誰?――A:鈴木愛理(と前田憂佳)(2/3)
このエントリは、次のエントリの続きです。
Q:いま一番ダンスがうまいアイドルは誰?――A:鈴木愛理(と前田憂佳)(1/3)
動きを一連の流れの中で理解できる愛理の才能
もう一度、先ほどの映像を見てください。
℃-ute「まっさらブルージーンズ」
http://www.youtube.com/watch?v=i0KbEWIquk4
2分06秒あたり
「甘酸っぱい映画みたいに TAKE ME OUT♪」のところ、ちょうど「TAKE」のあたりで、「右腕を右上に伸ばす」という動きがあることが分かります。
このとき――というか「この動きに入る直前」の愛理と、その横にいるめぐの動きを見比べてください。
「前方に移動する」「右腕を上げる」といった2つのモーションの「つなぎ目」にあたる部分のことです。
両足のスタンス(開き具合)にちがいがあり、愛理のほうが広く取っていることが分かります。
これは愛理が正しいのです。
なぜそう言えるかというと、これは運動力学的に当然のことで、「このシーン」は「右上に右腕を伸ばすシーン」の直前に当たるわけです。
ならば逆に、足は「左側で左下へ踏ん張り」、その反動で「右手が右上へ伸びる」となるのが自然なのです。
この「自然の摂理」を理解しているのが愛理で、理解していないのがめぐであるため、両足のスタンスにちがいが出るのです。
また愛理は所定のポジションに着いたとき、すでに次のフリへのモーションを始めており、一連の動きを流れるように見せることに成功していますが、めぐの方はちがいます。
「前方へ移動する」「両足のスタンスを取る」「右腕を右上に伸ばす」というふうにして、動作の1つ1つがぶつ切れになっているのです。
この点は右端に映っているナッキーにおいても同様ですし、おまけに愛理は、右腕を上げる前に、いったん左肩を上げてドルフィンの動きまで取り入れているのです。
これら(愛理)のダンスに見られる「動きのなめらかさ」「表現の自然さ」は異常です。
愛理は本物の天才ダンサー
ここまで見てきたのは2点でした。
1つめは、先ほどのエントリで証明した「アイドルのダンスに必要な動きの才能」という点であり、いま証明したのは「一般のダンスにおける才能」でこちらが2つめになります。
これに加えて、愛理には3つめの才能があります。
それは「正しい動き」を「愛理だけ」ができていることから考えるに、「その動き」はメンバーに指導した「ダンスの先生」ですら分かっていなかったものと思われ、彼女はそれを「教わらずにマスターしてしまった」ということです。
ここまでくれば、愛理は天才的なダンサーだということが分かるでしょう。
「アイドルオタクのイタい買いかぶり」というレベルを超えて、また「アイドルのダンスという1つのカテゴリー」の枠を超えて、彼女の能力の高さは客観的に証明できるものなのです。
それに比べて狼の議論がなんと主観にまみれていることか。
ほとんど議論とはいえないレベルのもので、愛理を評価する声など、先ほどにリンクしたスレでは「1つも上がっていません」。
もう1人の影の主役
筆者はひそかに愛理のダンスはアイドル界NO.1であるとさえ思っているのですが、それを確認するための情報(全員がおなじ踊りを踊っている映像)がありません。
どこかにはあるのかも知れませんが、筆者の金欠とツール弱者っぷりから考えるに、おそらく実際に手に入れることは不可能でしょう。
さて、ここまで筆者は鈴木愛理のダンスを再評価してきたわけですが、それは新しい基準、つまり「アイドルのダンス」と「一般のダンス」にはちがいがあり、前者にこそ必要なものである「フェイス・コンシャスであるか否か」という点を導入したことで、はじめて可能になったものです。
この基準を使えば、じつはもう1人、そのダンスに再評価を下せるアイドルがいるのです。
それが前田憂佳です。
次のエントリへ。
Q:いま一番ダンスがうまいアイドルは誰?――A:鈴木愛理(と前田憂佳)(3/3)