萌え豚っていうな!

萌えヲタのことを萌え豚となんの根拠もなく言うのを止めさせることを目的としたブログ。自分で言うことも含む。

Q:いま一番ダンスがうまいアイドルは誰?――A:鈴木愛理(と前田憂佳)(1/3)

 狼には時折、ハロプロメンバーのダンス・テクニックを議論するスレが立ちます。

 近頃ではこのように、

 【動画求む】アイドル界最強のダンサーは誰か?【緑・高橋・亀井・清水・中島・庄司・真奈・AKB・SKE・ダンス】
 http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1275663725

 守備範囲を外部にまで広げ、ダンス論議が白熱してきていることが分かりますが、そこで交わされている議論の的外れなことといったらありません。

℃-uteから見ていく

 ハロプロのグループ、℃-uteにおけるダンスのNO.1はずっと めぐ(村上愛)か、あるいは彼女が辞めたあとは ナッキー中島早貴)だと言われてきましたが、それは大間違いです。

 本当のNO.1は、鈴木愛理なのです。

 その理由を説明するとあまりに長文になるので4年間黙り続けてきましたが、ブログもはじめたし、いい加減言ってしまおうと思います。

 まず、筆者が愛理の身体性のすごさに気づいたのは、06年のインディーズ1stシングル「まっさらブルージーンズ」でした。

 筆者は在宅系なのでDVDで見たのですが、それは06年、モーニング娘。のツアー2006レインボー7でのオープニングアクトでした。(この模様はDVD「℃-ute ミュージックV特集(1)キューティービジュアル」に収められています)

愛理とそれ以外に分ける

 ダンスと一口に言ってもいろいろで、「アイドルに相応しいもの」と「そうでないもの」があります。

 「まっさら〜」のダンスにはサビのところ、例えば1番なら「まっさらぴんのブルージーンズ♪」のところに、ある特徴的な動きがあります。

 ℃-uteまっさらブルージーンズ
 http://www.youtube.com/watch?v=i0KbEWIquk4
 1分47秒あたり

 それは「正面に向かって手のひらをパーにして、体の前方で円を描く」というもので、これを静止画で見ると、愛理とそれ以外のメンバーでちがいがあることがわかります。

 愛理だけが顔の横で手をまわし、ほかのメンバーが全然ちがうところでまわしているのです。

 このちがいが「ダンスにおけるアイドル性」の発露の有無です。

 どういうことでしょう。

アイドルは顔が命

 アイドルとダンスというと、古くは「UFO」(ピンクレディー)における「頭の上で手のひらを開く」や、「天使のウィンク」(松田聖子)における「顔の横で手をパクパクさせ、ウィンクの動きを模倣する」といったもの、また近くでは「LOVE涙色」(松浦亜弥)の「手のひらを、頭の上→顔の左がわ→右がわと動かす」といったものが思い出されます。

 いずれもサビのところに相当し、この「まっさら〜」と同じなのですが、もう1つ同じなのが、「すべて顔のそばで手を動かしている」ということです。

 これはプリクラなど写真撮影だと考えてみてください。

 顔のすぐ近くに持ってこないと、手がフレームアウトしてしまい、添える意味がなくなってしまいますから、これらの動きは正しいのだということが分かりますね。

 そもそもアイドルのPVは顔のアップばかりですし、典型的なアイドルの写真ポーズと言えば、「手をグー(手錠をかけられたよう)にして合わせ、顔の近くに持ってくる。そして肩をすくめながら、どちらか一方を前に出す」というものです。

 つまり、これのことですね。

  http://sayu.no-ip.com/fairy/img/rabbit1978.934.jpg

 なぜこうなるかというと、まず顔の表情には限界がありますから、パーツが増えることで表情が豊かになるというのが1つです。

 この重要性は、女子がプリクラを撮るときに、やたら顔を盛っていることからもわかります。

うさちゃんピースがカワイイわけ

 これは「顔に手と肩を近づける理由」ですが、もう1つの「体をはすに構える理由」を日常で応用したのが、道重さゆみの「うさちゃんピース」です。

  http://sayu.no-ip.com/fairy/img/rabbit2826.973.jpg

 「ウサ耳」をつけることで、顔が大きくなって、よりカワイクなります。

 なぜ顔が大きくなるとカワイイかといえば、これは男性の庇護欲を誘うためです。

 見た目が赤ちゃんっぽくなるのであり、はすに構えるのも「肩幅が細く見え、相対的に顔が大きく見える」からです。(夏まゆみは、この理論を応用してモーニング娘。の「抱いてHOLD ON ME!」を振り付けました)

 これは大事なことで、アイドルのPVがアップばかりなのも、母親が「いないいないばあ」したときの視点を再現していると考えれば、「母性的な観点から人はアイドルを見ているのだ」と言えるかもしれません。

アイドルの「フェイス・コンシャス」な動きを体現できているのは愛理だけ

 いずれにせよ日本のアイドルというのは「フェイス・コンシャス(顔に寄せて表現する)」なのであり、だから顔のまわりで正確に手を動かせる愛理は、きちんとアイドルの条件を備えていることがわかるのです。

 ほかのメンバーは、(先ほどの箇所で)めぐやナッキーだと顔に被ってしまい、矢島舞美はあさっての方向へ伸ばしてしまっていますが、愛理は顔の近く、すぐ横のところで動かせている。

 これで誰のダンスが正しいかは自明でしょう。

 狼でのヲタたちの議論が不毛なのは、こうしてはっきりした基準を立てずにいるからなのです。(まぁ、彼らの場合、批評的な高みに上りたいというよりは、2ちゃんねる痰壷らしさをフル活用して、オレ様理論をただ吐き出したいだけなのでしょうが)

 ただ、ここで見てきたのは「鈴木愛理の『アイドルとしてのダンス』のうまさ」に過ぎません。

 次は「彼女の『一般のダンサーとして』のうまさ」を検証していきたいと思います。
 
 
 次のエントリへ続きます。
 Q:いま一番ダンスがうまいアイドルは誰?――A:鈴木愛理(と前田憂佳)(2/3)