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KARA(カラ)について −その2 日本デビューの危険性−

 このエントリは次のエントリの続きです。

 KARA(カラ)について −その1 KARAとは何か−

日本での人気と日本デビューに向けての活動

 2010年の04月、日本のNHK-BS放送では「K-POP プリティーガールズ!」と題して、韓国のガールズポップの特集をしました。

 KARAはそこにVTR出演したり、またファンが開催したイベントに飛び入りしたときの模様、あるいは日本で初となるライブ(韓国ではショーケースと言います)の模様が伝えられたりと、ほかにピックアップされた3つのグループと比べてだいぶ大きな扱いでした。

 3つの中にはワンダーガールズ、少女時代といった韓国におけるKARAのライバルが含まれており、日本での注目度はKARAがいちばん高いことを伺わせました*1

 さて、この2週間後、KARAは日本のプレス向けに発表会をおこないます。

 そこで分かったことの中で、重要なのは2つです。

 1つは、同年の夏ごろ、日本でのデビューが決定したこと。

 もう1つはデビュー曲が「ミスター」であるということです。

 これは「Honey」を含んだアルバムの次回作である、現行メンバーでの初のフルアルバム「Revolution」のリードタイトルであり、韓国でのKARAの人気を決定付けた曲でした。

 中でも注目されたのがダンスで、減量に成功したメンバーが見せるスリムなウェストラインと、セクシーに、そしてリズミカルに振られるヒップが特徴です。

 これはある意味で「Honey」を踏襲し、また別の意味で「Honey」を裏切っています。

 どういうことでしょうか。

「ミスター」と「Honey」のちがいはセクシーのレベル

 「Honey」の特徴は、要約すると衣装にあります。

 「Honey」〜「ミスター」以降のKARAは3年目に当たりますが、前のエントリでも書いた1年目のカッコイイ路線、そして2年目のカワイイ路線の融合として、それはあります。

 「Honey」では「カッコイイ」が「セクシー」に、「カワイイ」は「少女向け」から「男性向け」に再解釈されています。

 とはいえ、それは「ミスター」の腰フリほど露骨でなく、「ミスター」という男性を挑発するようなタイトルからも分かりますが、それと比較してしまえば、健全なキャバクラ的お色気に過ぎないのでした。

 むろん受け取り方はさまざまで、「ミスター」の腰フリも、ビヨンセなどアメリカのソウル系アーティストが米映画「RIZE」のダンスをマネてはじめた腰フリを、かなり東洋的に解釈したものと言えますから、”カワイイ版ビヨンセ”と考えれば健全なのかもしれません。

 これは実際、韓国でウケたわけですから、(消費者である)韓国人にとってはそのとおり好ましいものだったのでしょう。

 しかし同曲は日本でのデビュー曲でもあるわけです。

 日本人の文化に、果たしてマッチするのでしょうか。

日本人は健康的=幼稚なお色気が好き。

 日本の女性アイドルといえば松田聖子ですが、「渚のバルコニー」という曲が象徴するように、彼女の歌詞には”南国とそこで開放される心”といったモチーフが頻出します。

 これはほかのアイドルでも同じで、ハワイ出身の早見優がそのまま体現していますが、この伝統は80年代のみならず、写真集&DVDの撮影地という形で現在も現役で消費されているモチーフ*2です。

 これは彼女らの曲がキスはおあずけとか電話を切るタイミングがむずかしいという、健全だが子供っぽい悩みを歌っていることと釣り合ってはいますが、日本の男性はそれで満足なのでしょうか。

 答えはYESです。

 なぜなら和製アイドルの揺籃期であった80'はともかく、90'以降はAVが発展し、また80'ですらロリコンまんがというジャンル*3があり、日本は世界一のポルノ大国であり続けているからです。

 よって日本には比較的、若年アイドルの楽曲に性を求めない文化があると言えるでしょう。

結論、「ミスター」は日本をマーケティングできていない

 これは男性のアイドルファンの傾向ですが、女性の場合は、さらに強いでしょう。

 そもそもKARAがセクシー路線をはじめる前に支持していたのが女性だったのですから、これは当然と言えます。

 路線変更が功を奏したのは、韓国のみであり、その正しさは男性のファンが増えつつあったことへの対応としてです。

 実際、先ほどのNHKの番組では日本人のファンが「Honey」のダンスを完全コピーして披露するくだりがあって、それをKARAに見せにいくというコーナーまでありました。

 ここから普通、日本では「ミスター」だと行きすぎで「Honey」がちょうどよいという傾向に気づきそうなものですが、彼女たちのプロモーターはどう見ていたのでしょうか。

 当時、「ミスター」はYouTubeなどで見ることができたでしょうから、日本のファンはあえて「Honey」を選んでいるわけです。

 日本におけるKARAファンの代表といえば劇団ひとりですが、その妻である大沢あかねも番組に出演していて、彼女は「Pretty Girl」のくだりで黄色い歓声を上げていました。

 日本のAV事情など知らなくても、常識的に考えれば「Honey」こそが日本でのデビュー作に相応しいことが分かります。

 果たして、日本でのKARAの活動はどうなってしまうのでしょうか。

*1:日本のK-POPファンの代表である劇団ひとりがKARAを推していることの裏づけ、とでも言いいましょうか。

*2:とくにソログラビアアイドルのイメージビデオはそうで、誰も気にしてはいませんが、あれは一応、”都会で疲れた心と体を癒す旅に出た少女・女性”というものをアイドルが演じているという設定になっています。

*3:その代表格である「漫画ぶりっこ」という雑誌からは「オタク」という語が広まっています。