なぜ日本のアイドルは大所帯か?
モーニング娘。は9人(15人)、Berryz工房&℃‐uteは7人(8人)、AKB48は45人(??)などというように、日本のアイドルグループは構成人数が多いことで知られています。(数字は現在/カッコ内は過去最大)
これはジャニーズや、果ては一般にアイドルと言えないEXILEのようなグループにも当てはまります。
なぜこうなるか、ヒントは食にあります。
世界中の料理を思い出してください。米を基準にしてみると、韓国のビビンパ、中語のチャーハン、イタリアのリゾットなど、どれもシェフが味付けを完璧に決めた上で供されるものです。
日本ではちがいます。
米とおかずが分かれていて、口に運ぶときに、食べる側が調節するようになっている。(だからこそ食事=ごはんといい、米=ごはんともいうのであって、つまりは、米だけが”ごはん”、コロッケだ肉じゃがだというおかずは調味料に過ぎないということです)
これがエンタメにも当てはまります。
ショウビジネスとはスタッフが顧客にどこを見て欲しいか決めるものですから、彼らは料理でいうところのシェフであり、外国ではタレントのよさの決定権を持っています。
これが日本の場合、逆になります。
昨日は塩分を採りすぎたから、今日は米を多めで味を薄くしよう――というのと同じように、DVDを見るときなど、昨日はこのメンバーに注目したから、今日はこのメンバーを見よう――とファンの側が自分で楽しみ方を考えるのです。
このバリエーションを保障するために、日本のアイドルグループは人数が多くなるのです。
なぜ7〜8人が基本かといえば、江戸時代の長屋が8軒セットであったり、学校の班が6〜7人であるというように、そのほうが日本人にとって収まりがいいということなのでしょう。
また、味のチューニングのように、メンバーの個性をチューニングするということを具体化したのが、ハロプロ小説にあるCP(カップリング)という概念です。
これは「石川×吉澤」で「いしよし」とか、「雅×桃子」で「みやもも」というふうに、メンバー同士をネタや小説で絡ませて楽しむという同人行為のことです。(吉澤・市井のような男キャラは汎用的なので白米、他がおかずといったところでしょうか)
これがほかのグループ(アイドルのみならず)より発展しているということが、ハロプロの特徴といえます。